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<title>ビジスタニュース - 速水健朗</title>
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<title>速水健朗「1984年、アメリカ、帝国――追悼マイケル・ジャクソン」</title>
<link>http://bisista.blogto.jp/archives/1320952.html</link>
<description>担当者より：『自分探しが止まらない』（ソフトバンク新書）や『タイアップの歌謡史』（新書ｙ）の著者・速水健朗さんが、マイケル・ジャクソン逝去の直後に執筆した原稿に、若干の加筆をしたものです。ご一読ください。

配信日：2009/07/01


ベストセラー街道ばく進中の村...</description>
<dc:creator>bisista_news</dc:creator>
<dc:date>2010-07-07T15:30:33+09:00</dc:date>
<dc:subject>速水健朗</dc:subject>
<content:encoded><![CDATA[<b>担当者より：</b><a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4797344997/">『自分探しが止まらない』</a>（ソフトバンク新書）や<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4862481043">『タイアップの歌謡史』</a>（新書ｙ）の著者・速水健朗さんが、マイケル・ジャクソン逝去の直後に執筆した原稿に、若干の加筆をしたものです。ご一読ください。<br>
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<u>配信日：2009/07/01</u><br>
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ベストセラー街道ばく進中の村上春樹の新作<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4103534222/">『1Q84』</a>には、マイケル・ジャクソンの「Billie Jean」がカーステレオから聞こえてくる場面がある。この小説の舞台である1984年は、マイケルの年だった。<br>
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この曲が収録されたアルバム『スリラー』は、この年、日本で最も売れたレコードとなった。アメリカでは総計2700万枚のヒットを記録し、1983、1984両年のもっとも売れたアルバムとなる。そして、全世界での売り上げは約１億500万枚。『スリラー』がこれほどまでに世界を席巻した1984年とは、アメリカ、そして世界にとってどのような年だったのか。それを考察しながら、マイケルという希代のパフォーマーの人生、そしてなぜ彼が比類なきスーパースターになり得たのかについて振り返ってみたい。<br>
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『スリラー』が世界で１億枚のヒットになった背景には、それを待ち受けていた時代状況や下部構造があったと言える。黒人音楽ジャーナリストのネルソン・ジョージは、マイケルが登場しスターの座をつかんだ70年代を、「クロスオーヴァー」の時代と名付けている。<br>
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米大手レコード会社が白人向けラジオなどを通して、黒人音楽を「クロスオーヴァー」に売り込み始めた時期という意味である。「クロスオーヴァー」は通常、ジャズとロックの垣根を越える音楽のことを指すが、ネルソン・ジョージは、黒人音楽が白人の市場に取り込まれたこの時代の状況をなぞらえてそう呼んでいる。<br>
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「クロスオーヴァー」の傾向がさらに顕著になったのが、1980年代前後のこと。黒人が創業者であるモータウン・レコードで有名になったダイアナ・ロスとマーヴィン・ゲイが、1982年にそれぞれRCA、CBSと白人系の大手レコード会社に移籍。米のメジャーレコード会社は、黒人音楽が、白人市場を巻き込む大きなビジネスになることに気がつき始め、一流どころの引き抜きを始めたのだ。マイケルもこの時期にメジャーに移籍した一人だった。<br>
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ジャクソン5、ジャクソンズと経て、ソロになった1979年のアルバム『Off The Wall』には、黒人のレコードの規模ではなく、ジャーニーやビリー・ジョエル並の広告予算がつけられ、900万枚という黒人音楽史上最大のヒットとなった。これを抜いたのが『スリラー』であり、この後にも先にも単独アーティストとしてこれだけの枚数のアルバムを売った例はない。<br>
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ネルソン・ジョージは、マイケルの登場がなければ彼の替わりに、ライオネル・リッチーが黒人のスーパースターになっていただろうと指摘する。人気グループ・コモドアーズを抜けたリッチーは、カントリー歌手だったケニー・ロジャースをアメリカで最も人気のある歌手に仕立て上げた敏腕白人マネージャーを雇った。そして、R&B歌手の自分をアメリカで最も有名な歌手に仕立てるべく、白人市場を向いた「クロスオーヴァー」戦略を採用する。<br>
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そんなリッチーがマイケルのような存在になれなかったのは、1981年に始まったMTVのせいだろう。MTV以降、ポップスの歌手はただの歌い手ではなく、総合的なパフォーマーであることを求められるようになった。精悍なマスクを持ち、手足が長く、驚異的なダンスの技術を持ったマイケルは、MTV時代に相応しいスターで、その点においてライオネル・リッチーをはるかに凌駕していたのだ。<br>
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MTVの登場で、音楽産業はメディアをクロスオーヴァーする総合エンターテインメント産業に変わった。そんな80年代、音楽の市場規模は急速に拡大していく。ロックの時代には存在した言葉の壁をMTVの映像が取っ払ったのだ。日本においても、この時代ほど洋楽が売れた時代はなかった。<br>
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さて、この時代に世界に進出したアメリカは、マイケルだけではなかった。ここからは音楽以外の1984年にも視野を広げてみたい。<br>
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1984年に開催されたロサンゼルス・オリンピックは、オリンピックの商業化の始まりの大会として知られている。大会委員長務めたP.ユベロスは、各業種一社というルールで公式スポンサーを募り、大会運営を黒字化することに成功した。<br>
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五輪公式スポンサー第一号はコカ・コーラだった。その狙いは、まだコカ・コーラが浸透していないアフリカをはじめ、第三世界にライバルより早くコーラを売り込むこと。そのためコカ・コーラは、1982年のＷ杯スペイン大会、1984年のロス五輪と、世界的に注目されるスポーツ大会の公式スポンサーとなる。<br>
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また、当時は「コーラ戦争」の時代でもあった。ロス五輪の公式スポンサーを巡る争い（コカ・コーラが提示した入札額は1260万ドルだった）に敗れたペプシは、その代わりにマイケル・ジャクソンとCMの契約を交わした。世界から注目を集める存在として、オリンピックと並ぶ存在がマイケルだったのだ。1984年にCMバージョンの『Billie Jean』を使ったマイケルのペプシCMが流れた。日本ではこのようなタイアップは当たり前だが、アメリカにおいては彼ほどのトップスターがCMで自分の曲の歌詞を商品名に変えて歌うということはかなりのレアケースであった。この年、ペプシはシェアを1.5％伸ばし、コカ・コーラは１％下げている。<br>
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ペプシは、マイケルの1988年の「BAD WORLD TOUR」のサポートも行った。これは、コカ・コーラが五輪スポンサーとして世界市場に進出したのと同じ意味を持った。日本においてのコーラ市場のシェアは、ペプシよりもコカ・コーラが圧倒的である。だが、この当時のマイケルを使ったペプシのキャンペーンにより、相当ペプシの名は知れ渡った。<br>
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さて、アメリカのソフトパワーを代表する企業にディズニーがあるが、彼らにとっても、1984年転機の年だった。ディズニーアニメのヒットは途絶え、ロサンゼルスにあるディズニーランドの客足も減少の一途。そんな凋落時代のディズニーを救ったのは、映画大手のパラマウントから来たマイケル・アイズナーだった。<br>
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1984年にディズニーの経営を任されたアイズナーは、ケーブルテレビ局の買収やビデオソフトの販売を通して、過去のディズニーの遺産を商品として復活させ、実写映画への積極的な参与といった多メディア展開を始める。そして『美女と野獣』や『アラジン』といった新しい時代のディズニー映画を生む下地を制作部門内に作った。また、1983年は東京ディズニーランドが誕生した年でもある。米国以外に進出したディズニーランドの第一号という、海外に築かれたディズニー帝国による最初の砦である。<br>
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ちなみにアイズナーは、ABC時代にジャクソン・ファイブをモデルにしたアニメ番組の制作に携わっていたことがあり、その縁からマイケルはディズニーランドのアトラクション「キャプテンEO」で仕事をすることになった。<br>
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マクドナルドやコカ・コーラ、そしてディズニーといった企業は、国家や領土の枠を超えて経済活動を行うグローバリゼーションを代表する企業である。彼らは19世紀の帝国主義時代の覇権になぞらえて“帝国”という名を持って呼ばれることがある。コカ・コーラ帝国にディズニー帝国といった具合だ。そして、マイケルもまた帝国付きで呼ぶべき存在になったと言えるだろう。<br>
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こうした、アメリカの文化や企業が世界を浸食しはじめた1980～90年代の流れと、マイケルの活動内容・期間は見事に重なっている。そして、その出発点は、マイケルがスーパースターになった1984年に見出すことができるのだ。<br>
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世界の市場に受け入れられる「スーパースター」というユニバーサル商品になったマイケルは、黒人と白人をクロスオーヴァーする存在から、アメリカと世界をクロスオーヴァーする存在にならざるを得なかったのだろう。黒人でも白人でもないユニバーサルな人種、そして男でも女でもないとしてマイケルは存在しなくてはならなくなった。<br>
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マイケルの最後の10年は、転落の10年だったといっていいだろう。小児性愛を巡る数々のスキャンダル、そしてみるみるうちに変化した肌の色と顔の形。そうしたすべてが、メディアの上でさらされる「スーパースター」という商品として世界中が消費したのだ。正直、これほどおもしろいエンターテインメントはなかったし、悲しい帝国もなかった。<br>
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●速水健朗（はやみず・けんろう）<br>
評論家。ブロガーとしても著名。<br>
著書に<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4862481043/">『タイアップの歌謡史』</a>（新書ｙ）、<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4797344997/">『自分探しが止まらない』</a>（ソフトバンク新書）、<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4562041633/">『ケータイ小説的。』</a>（原書房）がある。<br>
ブログ：<a href="http://www.hayamiz.jp/">犬にかぶらせろ！</a>]]>
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</item>
<item rdf:about="http://bisista.blogto.jp/archives/1312649.html">
<title>速水健朗「団塊世代とテレビ」</title>
<link>http://bisista.blogto.jp/archives/1312649.html</link>
<description>担当者より：『自分探しが止まらない』（ソフトバンク新書）や『タイアップの歌謡史』（新書ｙ）などで知られる、速水健朗さんが2006年に書かれた団塊世代とテレビの関係についての原稿です。

配信日：2006/07/05


CMとのタイアップでヒット曲が大量に生まれたのは、1970年...</description>
<dc:creator>bisista_news</dc:creator>
<dc:date>2010-06-18T11:05:10+09:00</dc:date>
<dc:subject>速水健朗</dc:subject>
<content:encoded><![CDATA[<b>担当者より：</b><a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4797344997/">『自分探しが止まらない』</a>（ソフトバンク新書）や<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4862481043">『タイアップの歌謡史』</a>（新書ｙ）などで知られる、速水健朗さんが2006年に書かれた団塊世代とテレビの関係についての原稿です。<br>
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<u>配信日：2006/07/05</u><br>
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CMとのタイアップでヒット曲が大量に生まれたのは、1970年代末から90年代半ばくらいまでのこと。資生堂の化粧品、コカ・コーラ、マクセルのカセットテープ、航空会社のキャンペーン、カップヌードルなんかのCMソングがチャートの上位を占め、相乗効果で商品も売れていた。だが、90年代後半以降は、TV-CMからヒット曲はめっきり減ってしまう。<br>
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かつては南国の映像にリゾートソングという組み合わせが鉄板だった航空会社のCMは、いまや早期予約の割引の数字をアピールする味気のないものだけになった。青い空と海の下でごくごく飲み干す姿が鉄板だったビールのCMも、カロリーがどれくらいといった具体的な数字をアピールするのが主流となった。<br>
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2005年、BENNIE Kの「Dreamland」をCMソングに起用したコカ・コーラのCMは、いまどきないタイプのCMだった。青い空と海の下で、軽快な音楽を使う。コカ・コーラが持つアメリカ的なライフスタイルへのあこがれをストレートに表現したCMである。80年代にはこんなCMがたくさんあった。BENNIE Kの曲もそれにふさわしいポップな曲で、50万を超える大ヒットを記録した。<br>
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いまどき珍しいCMタイアップのヒット曲である。だが、肝心のコカ・コーラ自体の売り上げは、歌の売れ行き同様には伸びなかった。これではレコード会社を儲けさせるためにコカ・コーラがCMを作ったようなものだ。「CMがヒットしても商品の販売に結びつかない」。広告関係者が最近よく漏らしている悩みだ。<br>
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しかし一方では、TV-CMで成長している企業もある。健康食品を扱うやずや、通販のジャパネットたかた（厳密にはCMではなく情報番組）、漢方の再春館製薬所などだ。これらの会社のCMには派手な音楽のタイアップもなければ、韓流スターや巨乳アイドルも出てこない。会社名と製品名を連呼して、自社製品の品質を訴えるという古色蒼然としたもの。<br>
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広告業界では音楽とイメージをうまく利用したCMを指す「レナウン以降」という言葉がある。アパレルメーカーのレナウンが1960年代に「ワンサカ娘」のCMシリーズを製作して以降、CM表現は大きく変わる。それ以前は、商品名を連呼するCMソングが主流で、レコード発売されることも、もちろんチャートに登場することなどなかった。だが、レナウンのCMには、「ワンサカ娘」や「イエイエ」（ともに音楽は小林亜星）といった、最新の流行歌としても通用するクオリティの楽曲が使われ、実際にヒット曲にもなっている。CMにおける音楽や映像のクオリティが、商品の売れ行きに大きく関わるようになる。それは、この「レナウン以降」のことなのだ。だが、いまどきはまた「レナウン以前」に回帰している。CM音楽、キャッチコピーひとつでヒットが生まれる時代、そして広告界のスターが世間のスターとなる“おいしい生活”の時代も、今や遠い日の花火である。<br>
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さて、すでに名前を挙げた再春館、やずや、ジャパネットたかた、といったいまどきの成功CMの事例は、どれも高齢層をターゲットにしたものである。これらは、団塊世代狙いのマーケティングといえるだろう。深夜のショッピングチャンネルの主な購買層も60歳以上である。通常の放送が終了したあとの深夜帯には、かぐや姫の『神田川』やガロの『学生街の喫茶店』が流れる懐メロCDのCMがひっきりなしに流れている。このあたりの楽曲を青春時代に聴いていたのが、まさに団塊世代である。今日、目につく広告の多くは若者ではなく、年配層をターゲットにしているのだ。当然、CMがそうであればテレビ番組もその世代をターゲットに作られるようになっている。早晩フジテレビの月９枠のドラマも、Ｆ１層ではなく、もっと高齢層向けのものに変わっていくだろう。<br>
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10代をケータイに持っていかれ、20代～40代はネットに持っていかれ、テレビを一番見ているのは50代以上。ざっくりとではあるがこういう傾向は、統計からも見てとれる。NHK放送文化研究所の年齢ごとの視聴時間統計（2005年）によると20代男性２時間15分、女性２時間55分であるのに比べ、50代＝男性３時間52分、女性４時間22分なのだそうだ。薄型液晶テレビが売れに売れている背景には、2006年のドイツでのＷ杯以上にこの団塊世代の地デジ移行を見据えた買い替え需要があると睨んでいる。<br>
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先のコカ・コーラの事例だが、去年の失敗を反省したせいなのか、2006年のCMは40年前の初代「コカ・コーラの唄」に原点回帰してしまった。「コカ・コーラの唄」が始めて登場したのは1962年のこと。外国人専門に販売されていたコカ・コーラが日本人向けに発売されたのは、その前年の1961年。団塊世代にとっては、まさに思春期に入る頃、アメリカからもたらされたものがコカ・コーラだった。コカ・コーラはスターバックスに群がる若者層をあきらめ、もう一度団塊世代にコークを売ろうとしているのだろう。ちなみにスターバックス コーヒーはTV-CMを流していない。<br>
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もうTVは若者には訴求しないメディアになった――そう断言するのは、まだ早急かもしれない。だがそうはいっても、みのもんたのレギュラー番組はいまだ増えつづけているし、明日も“和風リラックスマッサージ座椅子（ヒーターつき）”は売れつづけるのだ。<br>
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●速水健朗（はやみず・けんろう）<br>
評論家。ブロガーとしても著名。<br>
著書に<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4862481043/">『タイアップの歌謡史』</a>（新書ｙ）、<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4797344997/">『自分探しが止まらない』</a>（ソフトバンク新書）、<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4562041633/">『ケータイ小説的。』</a>（原書房）がある。<br>
ブログ：<a href="http://www.hayamiz.jp/">犬にかぶらせろ！</a>]]>
</content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://bisista.blogto.jp/archives/1199460.html">
<title>速水健朗「観光立国の活路はどこにある？」</title>
<link>http://bisista.blogto.jp/archives/1199460.html</link>
<description>担当者より：速水健朗さんは、『自分探しが止まらない』（ソフトバンク新書）や『ケータイ小説的。』（原書房）などの著書があり、ブロガーとしても著名なライターです。この原稿では、「観光立国」という政策を謳う日本の現状について論じていただきました。

配信日：2009/...</description>
<dc:creator>bisista_news</dc:creator>
<dc:date>2009-11-07T21:00:33+09:00</dc:date>
<dc:subject>速水健朗</dc:subject>
<content:encoded><![CDATA[<b>担当者より：</b>速水健朗さんは、<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4797344997/">『自分探しが止まらない』</a>（ソフトバンク新書）や<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4562041633/">『ケータイ小説的。』</a>（原書房）などの著書があり、ブロガーとしても著名なライターです。この原稿では、「観光立国」という政策を謳う日本の現状について論じていただきました。<br>
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<u>配信日：2009/02/25</u><br>
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２年半ほど前に、「自分探しの旅に出る」と言ってふらっと出かけてしまったサッカー選手がいたことを覚えているだろうか。その彼が帰ってきて、この国の観光庁のアドバイザリーボードに就任してしまったのだという。<br>
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まさか彼の「自分探しの旅」が、国家機関の政策に活かされるなんて想像だにしなかった。日本は国策として自分探しの旅を推奨するのだろうか。あー、やだねえ。<br>
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それはともかくとして、昨年10月１日に観光庁が設立された。設立の目的は「観光立国」という政策の推進体制の強化のためだという。<br>
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よりによって世界的不況や円高で訪日観光客が激減したのとほぼ同じタイミングであり、立ち上げの時期としては抜群にタイミングが悪かった。<br>
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訪日観光客でもっとも数が多かったのは韓国。しかし、円高ウォン安が急速に進んだせいで、韓国からの観光客の数は、かなり壊滅に近い状態らしい。そして、世界的にも景気が悪化し、個人消費の中でもとくに観光業は大きな打撃を……、と思いきや必ずしもそうでもないようだ。<br>
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例えば、金融恐慌でもっとも大きなダメージを負ったアイスランドの観光業界は今めちゃくちゃ景気がいいとのこと。通貨が大きく下落したせいで、周辺国からの観光客が急増したのだ。ウォン安をうけて、日本人から韓国へ整形ツアーに出かけることがブームになっているのと同じ構図である。<br>
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逆に通貨高になった日本の観光産業は、大打撃なのだが、実は中国からの観光客に限ってはそうでもないらしい。昨年下半期は中国経済も低迷したし、さすがに観光客もそうとう減っただろうと思いきや、訪日旅行の数字は「マイナス1.2％の微減」（JNTO）程度で収まったという。むしろ、年間を通しては、過去最高の100万人を突破する中国人が旅行目的で訪日したのだ。<br>
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しかも、昨年末からは北海道を舞台としたラブコメ映画『非誠勿擾』が中国でヒットし、そのロケ地を見るためのツアー客が増えているという。日本人のおばちゃんが「冬ソナ」のロケ地を巡るためにツアーで韓国へ押し寄せたように、いまは中国人が日本にやってきているのだ。<br>
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香港で売られている最新の東京の旅行ガイドを読むと、彼らの観光がどのようなものなのか、ある程度つかむことができる。中でもよく目立つのが日本人のタレントの名前だ。山口智子、妻夫木聰（聡）、木村（彼だけはフルネームではなく名字だけで通用するようだ）、長谷川京子、福山雅治、藤原紀香、深田恭子……。ショップ紹介の見出しに取り上げられるこれらの名は、その店が日本のトレンディドラマや映画に使われたよ、ということを示すために用いられているようだ。TVドラマラブジェネレーション』に使われたカフェや映画『下妻物語』に出てきたブティックなどといった具合。まさに聖地巡礼である。<br>
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ほかにも、こういった東京ガイドにはいろいろと驚かされる。浅草や皇居といった観光地より、ラフォーレ原宿や竹下通りの扱いが大きいことくらいは、こちらもさすがに予想できる。しかし、そんな我らの想定の範囲をすぐにはみ出る内容に気づく。このガイド、東京を案内する目的のくせに、冒頭から埼玉の奥地へ行かせようとする。東京ガイドの１ページ目で大きく紹介されるのは、2008年にオープンしたばかりの入間アウトレットパークだったりするのである。<br>
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いや、これは正しい編集方針なのだ。観光客はいったい、日本へ何をしにくるのか？　名所や名跡を見に来る？　そんなわけはない。日本政府観光局が2007年に訪日観光客1万3000人を対象に行った調査によると、訪日目的の第１位は「ショッピング」だったという。<br>
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彼らが行く場所はショッピングモールである。件のガイドには、ららぽーとに始まり、はては東京を離れ、栃木や御殿場のアウトレットモールへの行き方がていねいに示されている。しかも、御殿場まで行かせるくせに、「近くに富士山があるよ」とすら書いていないあたりが本気である（笑）。<br>
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なぜ、わざわざ日本にまで、西洋のブランドものを買ってるわけ？　と聞くのはナンセンスだ。日本人もかつてはハワイまで押しかけて行って、アラモアナセンター（欧州高級ブランドショップが多い）でアメリカ本国からの観光客が使う３倍のお金を、つぎ込んでいたのだから「（笑）」なんてシニカルに眺める資格はないのだ。<br>
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冒頭に戻るが、観光庁開設や「観光立国」という目論見の背景には、ここまで見てきたような中国からの訪日観光客の増加がある。なにせ中国人の訪日団体観光旅行は、2000年９月に解禁されたばかりで、いまだ個人観光は禁止されている。これが今後、解禁される見込みであり、そうなるとさらなる観光客増の可能性も高い。<br>
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しかも、これらがほんのここ８～９年の間の出来事なものだから、観光地や公共施設の案内書きひとつとっても、対応が間に合っていないのが現状である。こうした潮流に応じながら、中国の中流階層に新たなトレンディドラマなどを売り込んだりするような活躍をぜひ観光庁には期待していきたい。まあ少なくとも、自分探しの旅を国策に据えている場合じゃない。<br>
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●速水健朗（はやみず・けんろう）<br>
評論家。ブロガーとしても著名。<br>
著書に<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4862481043/">『タイアップの歌謡史』</a>（新書ｙ）、<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4797344997/">『自分探しが止まらない』</a>（ソフトバンク新書）、<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4562041633/">『ケータイ小説的。』</a>（原書房）がある。<br>
ブログ：<a href="http://www.hayamiz.jp/">犬にかぶらせろ！</a>]]>
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