担当者より:『ヤリチン専門学校~ゼロ年代のモテ技術~』(講談社アフタヌーン新書)などの著書で知られる尾谷幸憲さんが、女性誌のスピリチュアル広告について2009年に書いたものです。昨今の雑誌状況なども踏まえてお読みいただければと。
配信日:2009/05/07
オレはモテ研究のために女性誌を購入する機会が多いのですが、最近、この女性誌界にある異変を感じています。
それが「電話占い」広告の増加です。電話占いとは、悩める女性を相手に占い師が電話を通して霊視をしたり、前世を当てたり、ついでに守護霊に働きかけたり、悪い波動を修正してもらったりする不思議なテレフォンサービスなのですが、これの広告が異様に増えているようです。いや、広告だけではありません。いわゆる記事広告(雑誌記事に似せた広告)の数も半端なく増加しています。
傾向的に言うと『anan』や『OZ magazine』などのアラサー/アラフォー世代が読む雑誌に掲載されている確率が多く、それより下の世代が読む女性誌やファッション中心の女性誌、ギャル誌などにはあまり載っていません。
今、ちょっと計算してみたのですが、『anan』2009年4月29日号には計15ページ、『OZ plus』2009年3月号には計13ページにわたってこのような広告・記事広告が掲載されています。
それまでの女性誌の広告というと、エステ・美容整形・出会いサービスが三種の神器で、電話占いのような広告はおそらく下位におかれていたと思うのですが、折からの不況で多くの広告主が離れている現在、背に腹はかえられないということで、この手の広告が大量投入されていると思われます。
また、アラサー/アラフォー世代は、昨今の不況による将来への不安、さらに結婚・出産を考えなくてはならないという重要な局面にいたりしますので、そういった意味でも電話占いのターゲットとピタリと重なる、という部分もあるのでしょう。
さて、こう書いていくと、実際の電話占いの広告がどんなものかが気になりますよね? じゃあ、ほんの少しだけサンプルを紹介しましょう。本当に怒られるかもしれないので、触りだけですけど。
■サンプル1
霊能力を鑑定+パワー(パワーは無料です)
相手の心をギュっととらえて連絡を入れさせるパワーを送ります
「連絡を入れさせる」というあたりが秀逸です。ギャル世代ならば積極的に相手にメールを入れたりするでしょうが、アラサー/アラフォー女子は「女は待つもの」という前時代の恋愛スタイルを固持しているので相当ひっかかると思います。
■サンプル2
激愛!愛の再生!! 幸せへの導きがあったとき、涙があふれてとまらない
苦悩から解放される瞬間、あなたは占いの力を実感できます
韓流ドラマを見てるような女子が飛びつきそうですね。
■サンプル3
満月の光を吸引し そこからの波動により 希望を現実化する
満月にそんなパワーがあったとははじめて知りました。驚きです。
■サンプル4
意中のお相手のキャリアを遠隔透視で明らかに!
その男性の恋人の有無や年収を、たちまち遠隔透視で明らかします
えっ、年収までわかっちゃうの? もはやCIA並みの調査能力ですな。
■サンプル5
忘れられない男性の今の状況とその本音を遠隔により透視し、もう一度、その心が貴女のほうへ振り返るように強力な念をお飛ばしします
あのー、これってもはや洗脳に近いのでは……。
■サンプル6
「彼のマインドに直接働きかけるからすごい!」
なんだか、ものすごく怖くなってきました。もしかしたら、オレもこういった念やら波動やらに突き動かされているのでしょうか。オレがキャバクラをやめられないのは、あのキャバ嬢が念を送ってるからなのでしょうか。腰痛が治らないのも、誰かの念のせいなんでしょうか。今、日本の上空には電話占いによる念がたくさん飛び交っているのかもしれません。
しかし、疑問です。女性のみなさんは、なぜこのようなサービスにハマッてしまうのでしょうか。これはあくまで個人的な意見ですが、それほど悩んでいるのなら、好きな相手にまっこうからぶつかればいいと思うんですよね。それに、心の支えをスピリチュアルにしか見出せない、というのはちょっとさびしいような気もします。
昨今のスピリチュアル・ブームを見てると本当に思うんですよ。みんなオウム事件の教訓を忘れちゃったのかなぁ、って。
●尾谷幸憲(おたに・ゆきのり)
売文屋。学生時代に全日本CM協議会・学生ラジオCMコンクールで金賞を受賞。その後、ライター、ケータイ小説、放送作家など幅広い分野で活動。
著書に『LOVE※』(内藤みかと共著/講談社文庫)、『ラブリバ♂』(ゴマブックス)、『ヤリチン専門学校~ゼロ年代のモテ技術~』(講談社アフタヌーン新書)などがある。
ブログ:尾谷幸憲のblog的なblog
ツイッター:otaniyukinori
配信日:2009/05/07
オレはモテ研究のために女性誌を購入する機会が多いのですが、最近、この女性誌界にある異変を感じています。
それが「電話占い」広告の増加です。電話占いとは、悩める女性を相手に占い師が電話を通して霊視をしたり、前世を当てたり、ついでに守護霊に働きかけたり、悪い波動を修正してもらったりする不思議なテレフォンサービスなのですが、これの広告が異様に増えているようです。いや、広告だけではありません。いわゆる記事広告(雑誌記事に似せた広告)の数も半端なく増加しています。
傾向的に言うと『anan』や『OZ magazine』などのアラサー/アラフォー世代が読む雑誌に掲載されている確率が多く、それより下の世代が読む女性誌やファッション中心の女性誌、ギャル誌などにはあまり載っていません。
今、ちょっと計算してみたのですが、『anan』2009年4月29日号には計15ページ、『OZ plus』2009年3月号には計13ページにわたってこのような広告・記事広告が掲載されています。
それまでの女性誌の広告というと、エステ・美容整形・出会いサービスが三種の神器で、電話占いのような広告はおそらく下位におかれていたと思うのですが、折からの不況で多くの広告主が離れている現在、背に腹はかえられないということで、この手の広告が大量投入されていると思われます。
また、アラサー/アラフォー世代は、昨今の不況による将来への不安、さらに結婚・出産を考えなくてはならないという重要な局面にいたりしますので、そういった意味でも電話占いのターゲットとピタリと重なる、という部分もあるのでしょう。
さて、こう書いていくと、実際の電話占いの広告がどんなものかが気になりますよね? じゃあ、ほんの少しだけサンプルを紹介しましょう。本当に怒られるかもしれないので、触りだけですけど。
■サンプル1
霊能力を鑑定+パワー(パワーは無料です)
相手の心をギュっととらえて連絡を入れさせるパワーを送ります
「連絡を入れさせる」というあたりが秀逸です。ギャル世代ならば積極的に相手にメールを入れたりするでしょうが、アラサー/アラフォー女子は「女は待つもの」という前時代の恋愛スタイルを固持しているので相当ひっかかると思います。
■サンプル2
激愛!愛の再生!! 幸せへの導きがあったとき、涙があふれてとまらない
苦悩から解放される瞬間、あなたは占いの力を実感できます
韓流ドラマを見てるような女子が飛びつきそうですね。
■サンプル3
満月の光を吸引し そこからの波動により 希望を現実化する
満月にそんなパワーがあったとははじめて知りました。驚きです。
■サンプル4
意中のお相手のキャリアを遠隔透視で明らかに!
その男性の恋人の有無や年収を、たちまち遠隔透視で明らかします
えっ、年収までわかっちゃうの? もはやCIA並みの調査能力ですな。
■サンプル5
忘れられない男性の今の状況とその本音を遠隔により透視し、もう一度、その心が貴女のほうへ振り返るように強力な念をお飛ばしします
あのー、これってもはや洗脳に近いのでは……。
■サンプル6
「彼のマインドに直接働きかけるからすごい!」
なんだか、ものすごく怖くなってきました。もしかしたら、オレもこういった念やら波動やらに突き動かされているのでしょうか。オレがキャバクラをやめられないのは、あのキャバ嬢が念を送ってるからなのでしょうか。腰痛が治らないのも、誰かの念のせいなんでしょうか。今、日本の上空には電話占いによる念がたくさん飛び交っているのかもしれません。
しかし、疑問です。女性のみなさんは、なぜこのようなサービスにハマッてしまうのでしょうか。これはあくまで個人的な意見ですが、それほど悩んでいるのなら、好きな相手にまっこうからぶつかればいいと思うんですよね。それに、心の支えをスピリチュアルにしか見出せない、というのはちょっとさびしいような気もします。
昨今のスピリチュアル・ブームを見てると本当に思うんですよ。みんなオウム事件の教訓を忘れちゃったのかなぁ、って。
●尾谷幸憲(おたに・ゆきのり)
売文屋。学生時代に全日本CM協議会・学生ラジオCMコンクールで金賞を受賞。その後、ライター、ケータイ小説、放送作家など幅広い分野で活動。
著書に『LOVE※』(内藤みかと共著/講談社文庫)、『ラブリバ♂』(ゴマブックス)、『ヤリチン専門学校~ゼロ年代のモテ技術~』(講談社アフタヌーン新書)などがある。
ブログ:尾谷幸憲のblog的なblog
ツイッター:otaniyukinori
