担当者より:2007年に文士の松永英明さんが、注目を集めていた中川翔子と眞鍋かをりのブログを対比して論じたものです。ご一読ください。
配信日:2007/09/26
初代ブログの女王といえば眞鍋かをり。新ブログの女王といえば中川翔子(しょこたん)である。最近は第3のブログの女王として若槻千夏の名前が挙がることもあるが、今回は眞鍋としょこたんのブログを比較すると、何が見えてくるか考えてみたい。
同じブログといっても、二人のブログはまるでスタイルが違う。
「眞鍋かをりのココだけの話」は、基本的に文章が主体だ。そして、改行の仕方を工夫してみたり、文字サイズや色を変えてみたり。一話ごとにストーリーがあり、オチがついている。これは、数年前に流行った「テキストサイト」のスタイルをそのまま受け継ぐものと言えるだろう。
一方、「しょこたん☆ぶろぐ」はケータイで撮った写真に文章が付いているというスタイルである。写真と文章は全然関係ないことも多いが、スタッフからのお知らせ以外、本人が更新した内容には必ず写真がついている。言い換えれば、「しょこたん☆ぶろぐ」は、ケータイブログなのである。しょこたん自身はPCも使いこなしているが、PCの画面をケータイで撮ってアップすることもしばしばである。PCから更新しているようには思えない。
「しょこたん☆ぶろぐ」はヤプログというブログサービスを利用している。これはケータイで投稿し、ケータイで閲覧するのに非常に適したサービスなのである。もちろん、PCからも閲覧できるが、ケータイユーザーに優しいサービスだ。
ひるがえって、「眞鍋かをりのココだけの話」はココログで運営されている。ココログは基本的にPCから投稿し、PCのブラウザで閲覧することが前提として機能している。ココログはケータイからは閲覧しづらい。
このことから、眞鍋はPCブログ、しょこたんはケータイブログと言っていいだろう。それは、内容的にも、スタイル的にも当てはまることなのである。
このメルマガの読者の皆さんは、この文章をPC上で読まれているはずである。したがって、ウェブサイトを閲覧するならケータイよりPCの方が多いという方が中心だろうと思われる。
ところが、特に10代~20代を中心とした年代では、ケータイがメインでPCはほとんど、あるいはまったく使わないという人たちが多い。この人たちを「ケータイ族」と呼ぶとするならば、ケータイ族と「PC族」では、情報の扱い方が極めて異なっているのである。
現在、ブログを開設する人たちはどんどん増えていると報じられている。だが、その中でもケータイ族によるブログの比率が高まっているように思われる。
ケータイ族にとって、ブログの更新とは、写メールの延長上にほかならない。実際、ヤプログなどのケータイ対応ブログでは、写真付きブログを更新するためには、メールにブログの本文を書き、そこに写真を添付して送信する。手続き的には、友達に写メールを送るのとまったく同じなのである。
そうなると、PCから投稿され、PCで閲覧されることを前提としたブログと、ケータイブログは、おのずから性質が違ってくることも理解されよう。ケータイブログは、非常にパーソナルな性格を持っている。何しろ、友達にメールを送ることの延長上にあるのである。わかる人にだけわかってもらえればいいというノリになる。文章もメール程度の短いものである。
「しょこたん☆ぶろぐ」はその意味でも、まさにケータイブログの典型といえる。初めて読む人には意味のわからない「しょこたん語」が駆使され、飼い猫の名前や「スカシカシパン」などが説明もなく飛び出してくる。しょこたんワールドに馴染んだ人でなければ、まったく入り込む余地はない(逆に、一度ハマると抜け出せなくなるのだが)。
一方で、PCブログの典型「眞鍋かをりのココだけの話」は、基本的に小話やエピソードで書かれている。初めての人にもわかるように、パブリックな立場で書かれているわけだ。それだけに、一回の記事はそれなりの分量になる。
更新頻度も対照的である。眞鍋ブログは数日に一回の更新だ。それなりの内容を盛り込もうと思えば、更新頻度を上げることは難しい。一方、しょこたんは一日に平均10~20回も更新している。写真を撮ったら撮っただけ更新し、その時々に思いついたことを書き添えている。ここにもPCとケータイの違いが現われているように思われる。
このように、ケータイをメインに使っているケータイ族と、PCをメインに使っているPC族というふうに対比させてみると、行動パターン・思考パターンに大きな違いが見られ、非常に興味深い。PCユーザーからは想像もつかないようなケータイワールドが展開されていることもある。それはいわば、まったく相容れない、異なる文化圏として存在しているのだ。この文化圏の違いが、まさに眞鍋かをりとしょこたんのブログの違いに顕著に表われているのである。
●松永英明(まつなが・ひであき)
文士。事物起源研究家。
著書に『ウェブログ超入門!』(日本実業出版社)、共著に『できる100ワザブログ』(インプレスジャパン)など、訳書にジェームズ・アレン『幸福に通じるひそやかな道』(ゴマブックス)など多数。
ブログ:絵文録ことのは
配信日:2007/09/26
初代ブログの女王といえば眞鍋かをり。新ブログの女王といえば中川翔子(しょこたん)である。最近は第3のブログの女王として若槻千夏の名前が挙がることもあるが、今回は眞鍋としょこたんのブログを比較すると、何が見えてくるか考えてみたい。
同じブログといっても、二人のブログはまるでスタイルが違う。
「眞鍋かをりのココだけの話」は、基本的に文章が主体だ。そして、改行の仕方を工夫してみたり、文字サイズや色を変えてみたり。一話ごとにストーリーがあり、オチがついている。これは、数年前に流行った「テキストサイト」のスタイルをそのまま受け継ぐものと言えるだろう。
一方、「しょこたん☆ぶろぐ」はケータイで撮った写真に文章が付いているというスタイルである。写真と文章は全然関係ないことも多いが、スタッフからのお知らせ以外、本人が更新した内容には必ず写真がついている。言い換えれば、「しょこたん☆ぶろぐ」は、ケータイブログなのである。しょこたん自身はPCも使いこなしているが、PCの画面をケータイで撮ってアップすることもしばしばである。PCから更新しているようには思えない。
「しょこたん☆ぶろぐ」はヤプログというブログサービスを利用している。これはケータイで投稿し、ケータイで閲覧するのに非常に適したサービスなのである。もちろん、PCからも閲覧できるが、ケータイユーザーに優しいサービスだ。
ひるがえって、「眞鍋かをりのココだけの話」はココログで運営されている。ココログは基本的にPCから投稿し、PCのブラウザで閲覧することが前提として機能している。ココログはケータイからは閲覧しづらい。
このことから、眞鍋はPCブログ、しょこたんはケータイブログと言っていいだろう。それは、内容的にも、スタイル的にも当てはまることなのである。
このメルマガの読者の皆さんは、この文章をPC上で読まれているはずである。したがって、ウェブサイトを閲覧するならケータイよりPCの方が多いという方が中心だろうと思われる。
ところが、特に10代~20代を中心とした年代では、ケータイがメインでPCはほとんど、あるいはまったく使わないという人たちが多い。この人たちを「ケータイ族」と呼ぶとするならば、ケータイ族と「PC族」では、情報の扱い方が極めて異なっているのである。
現在、ブログを開設する人たちはどんどん増えていると報じられている。だが、その中でもケータイ族によるブログの比率が高まっているように思われる。
ケータイ族にとって、ブログの更新とは、写メールの延長上にほかならない。実際、ヤプログなどのケータイ対応ブログでは、写真付きブログを更新するためには、メールにブログの本文を書き、そこに写真を添付して送信する。手続き的には、友達に写メールを送るのとまったく同じなのである。
そうなると、PCから投稿され、PCで閲覧されることを前提としたブログと、ケータイブログは、おのずから性質が違ってくることも理解されよう。ケータイブログは、非常にパーソナルな性格を持っている。何しろ、友達にメールを送ることの延長上にあるのである。わかる人にだけわかってもらえればいいというノリになる。文章もメール程度の短いものである。
「しょこたん☆ぶろぐ」はその意味でも、まさにケータイブログの典型といえる。初めて読む人には意味のわからない「しょこたん語」が駆使され、飼い猫の名前や「スカシカシパン」などが説明もなく飛び出してくる。しょこたんワールドに馴染んだ人でなければ、まったく入り込む余地はない(逆に、一度ハマると抜け出せなくなるのだが)。
一方で、PCブログの典型「眞鍋かをりのココだけの話」は、基本的に小話やエピソードで書かれている。初めての人にもわかるように、パブリックな立場で書かれているわけだ。それだけに、一回の記事はそれなりの分量になる。
更新頻度も対照的である。眞鍋ブログは数日に一回の更新だ。それなりの内容を盛り込もうと思えば、更新頻度を上げることは難しい。一方、しょこたんは一日に平均10~20回も更新している。写真を撮ったら撮っただけ更新し、その時々に思いついたことを書き添えている。ここにもPCとケータイの違いが現われているように思われる。
このように、ケータイをメインに使っているケータイ族と、PCをメインに使っているPC族というふうに対比させてみると、行動パターン・思考パターンに大きな違いが見られ、非常に興味深い。PCユーザーからは想像もつかないようなケータイワールドが展開されていることもある。それはいわば、まったく相容れない、異なる文化圏として存在しているのだ。この文化圏の違いが、まさに眞鍋かをりとしょこたんのブログの違いに顕著に表われているのである。
●松永英明(まつなが・ひであき)
文士。事物起源研究家。
著書に『ウェブログ超入門!』(日本実業出版社)、共著に『できる100ワザブログ』(インプレスジャパン)など、訳書にジェームズ・アレン『幸福に通じるひそやかな道』(ゴマブックス)など多数。
ブログ:絵文録ことのは
