担当者より:ブロガー・山本一郎さんの連載を掲載しました。今回はJALの問題とメガバンクについてです。

配信日:2010/01/13


●JAL問題はメガバンク増資問題の試金石につき●


現在、内政問題の焦眉の急として、その割には半年ぐらいずっとわいわいやっていたJALの問題が、ようやく法的整理と上場廃止の方向性が見えて、懸案の債務超過額も7,000億円から8,000億円ということで帳尻が明らかになってきました。

■日本航空:再建問題 上場廃止、有力に 年金減額回答期限、22日まで延長も■

■JAL続落80円割れ、今期大幅な債務超過、客離れ現実化も響く■

正直、この辺は微妙なところでありまして、さっそく年金減額回答期限が延期されたりしております。ぶっちゃけ、誰かの年金といった生活に密着する財産権を国家が主導権を握って毀損させますという話になってしまう側面もあるため、誰のための再建か、という話にもなりかねません。まあ、これだけ放漫経営を続けてきた日本航空をこのままの経営で生き長らえらせるのは問題なのは間違いないのですが、経営が破綻しそうだからレガシーコストを切り捨てますというのが経営の都合だけで実行できていいのかという政治問題になるのは当然のことと言えます。

で、例によって道筋論になってくるわけですけれども、議論が絶えないのはJALの再建の後にも「もう借入金を返せない」大手企業の破綻整理が続く可能性があり、ただでさえ低金利で、国内経済成長の鈍化で斜陽業態中の斜陽である商業銀行がそのままで支えられる道理はない形です。

■メガバンク、増資合戦第2幕 三井住友FGが異例の年度内2度目の大型増資■

■三井住友FG:普通株増資 「抜本強化が不可欠」 みずほFGへ圧力必至■

東洋経済の記事では、思い切りみずほFGを名指しされておりますけれども、実際問題、去年5,300億ほど増資したのにもう再増資の議論が出るのも「経済が二番底でも叩こうものなら、本当に倒れかねない」という危機感の現われとも言えます。主力で抱えるイオンなども軒並み返済能力には疑問が呈されている状況で、これをどう事前にカバーして問題に備えるかは、JALがどういう政治決着をし、国内不振企業再建の方法についての道筋をつけてからでないといけないんでしょう。


●山本一郎(やまもと・いちろう)
イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
著書に『“俺様国家”中国の大経済』、『情報革命バブルの崩壊』(ともに文春新書)、『ネットビジネスの終わり』(PHP研究所)などがある。
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