担当者より:山本一郎さんの連載をアップいたしました。今回は、民主党政権とそのマニフェストについてです。

配信日:2009/12/09


●「守れなくて仕方がない」マニフェスト!?●


このところウェブで評判になっていて、良い意味でも悪い意味でも考えさせられる記事があったので紹介したいと思います。

■続・民主党よ、お前は何者か 日米同盟破壊から日本破壊へ■

この清水昇氏というジャーナリスト、正直あまり良く存じ上げないのですが、その主張に賛同できるかどうかはさておき鳩山政権の軸足の問題を事実に沿って論じ上げています。ここまで従来の自民党型の親米スタンスが正しいと思うかや、外交のあり方についての危機感をどう有権者として持つべきかという点で、ちょっと考えさせられるのは「普天間問題の越年」のような重要な外交課題もいまの報道のあり方の延長線上では単なるひとつのトピックスとして通り過ぎてしまう部分でもあります。

まさにフィリピンのクラーク基地返還論争などを想起させる部分でもあるのですが、中盤から後半の環境問題に対する論述は若干稚拙で、最終的にはやや残念な記事の仕上がりになっているのはご愛嬌で。ただ、鳩山政権成立後のビジネスサイドの苛立ちはうまく表現できているように感じました。

その一方で、民意も若干変容してきています。鳩山政権の支持率が微減したという話もありますが、それはある程度時間が経ってくれば政権運営に満足も不満もありますし、何よりいまは不況状態であることには変わりありませんから、放っておいても下がり気味になるものです。ただ、それ以上にマニフェストに対する考え方が気になります。

■内閣支持続落59%、「首相指導力ない」急増■

政権公約も同然であるマニフェストに対して、国民の約8割が「守れなくても仕方がない」「こだわる必要はない」と回答したのには驚きました。一応、政権選択の選挙ということで、マニフェストを掲げて政権交代を訴えた民主党が選挙に勝利したはずだったんですが、その信託を国民の実に半数が「守れなくても仕方がない」と考えていたとは……。

何というか、真面目に政策を考えたり議論するのが空しくなる気もするんですけれども、如何でしょうか。


●山本一郎(やまもと・いちろう)
イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
著書に『“俺様国家”中国の大経済』、『情報革命バブルの崩壊』(ともに文春新書)、『ネットビジネスの終わり』(PHP研究所)などがある。
ブログ:切込隊長ブログ